第76期順位戦昇級者予想。

毎年この時期にやっている順位戦昇級者予想を、今年もやって行きたいと思います。

例年通り、週刊将棋方式(昇級者数+1)の人数で
予想して行きます。

C級2組(昇級者3名)

梶浦 宏孝 四段
都成 竜馬 四段
八代 弥 六段
三枚堂 達也 四段


この4名を予想したいと思います。

今年は何と言っても藤井四段と言う、超新星が参加しているのですが、
順位戦は初めてということと、このクラスは順位がカナリ影響するのであえて外しました。

この4名は順位は申し分ないですし、実力も頭一つ抜けていると思います。

藤井四段は8勝2敗くらいで、頭ハネと予想します。


C級1組(昇級者2名)

永瀬 拓矢 六段
千田 翔太 六段
佐々木 勇気 五段

この3名を予想します。

上記の3名は誰しもがこう予想する3名でしょう。
と言うか、そろそろ上がって欲しいメンバーですね。

B級2組(昇級者2名)

藤井 猛 九段
中村 太地 六段
澤田 真吾 六段


上記3名を予想します。

まず藤井九段ですが、最近では銀河戦を優勝したりとても好調です。
将棋も内容が良い将棋が多く戦法的にも、振り飛車はカナリ盛り返していると思いますね。

中村六段と澤田六段は殆どの人が、名前を挙げるのではないでしょうか。
今期こそ上がって欲しいですね。

B級1組(昇級者2名)

阿久津 主税 八段
山崎 隆之 八段
斎藤 慎太郎 七段


この3名を予想します。

このクラスは誰が上がってもおかしくないですが、阿久津八段・山崎八段は、
最新の流行形でよく勝たれていますし、他に流行る戦法もまだ出てこなさそうなので、
引き続き勝ちまくってくれると予想しました。

新参加の斎藤七段ですがタイトル挑戦なども決め、勢いは1番あると思います。
1期抜けの可能性は高いでしょう。

A級(挑戦者1名)

羽生 善治 三冠
渡辺 明 二冠


この二人を予想します。
まあこの二人については説明はいらないでしょう・・・

以上、今期の順位戦昇級者予想でした。
結構自信はあります・・・



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「将棋戦型別名局集5 中飛車名局集」が出るぞー!!!

5月末に「将棋戦型別名局集5 中飛車名局集」が出るみたいです。



「また中飛車か・・・」と思う人もいるかもしれませんが、現状中飛車は大流行戦型の一つなので、
頻繁に出るのも仕方がないと思います。

この名局集シリーズはもうお馴染みで、解説もこの前出た四間飛車名局集と同じ、
鈴木大介九段ですね。

鈴木九段の解説は明快で解りやすいので、とても好きです。

そして今回もマイナビショップでは、サイン本を限定発売しているみたいなので、
僕はこっちで予約しました。

https://book.mynavi.jp/ec/products/detail/id=72282

また届いたら写真を撮って、アップしようと思います。
今からとても楽しみですね。

あと中飛車の話題という事で中飛車のことを少し書くと、
実は今「後手ゴキゲン中飛車」の勉強を基礎からやり直しています。

昔(十数年前)はよく指していたのですが居飛車党になってからは、全然指していませんでした。
しかしここ最近の後手ゴキゲン中飛車を見ていると、とても面白そうなので指してみたくなりましたね。

もう一度しっかり基礎を勉強して、所属している支部の例会などで指してみようと思っています。

ちょうど良いタイミングで中飛車名局集が出てくれて、とても嬉しいですね。



少し前から将棋ソフトの検討モードは、あまり使わなくなっている。

今日は久しぶりに文章だけの記事なんですけど題名通り、
少し前(去年辺り)から将棋ソフトの検討モードをあまり使わなくなっています。

その理由を何個か書きたいと思いますね。
それでは書いて行きます。


①将棋ソフトと人間の指す将棋が違いすぎる。

まず一番の理由がコレですね。
もう将棋ソフトと人間が指す将棋は、別次元の物になってしまいました。

確かに将棋ソフトは強いですがもう強くなりすぎてしまって、真似することは出来ないと思います。


②将棋ソフトの様に指し続けるのは不可能。

将棋ソフトの検討モードなどでずっと局面を掘り下げていくと結構な確率で、
人間の発想では思いつかない手を指さないと、優勢を保てない局面などが出てきます。

まあこういう研究の仕方は無駄ではないと思いますが、アマチュアではあまりやらなくていい
勉強方法だと思いますね。


③人間同士の対局での「実戦的に勝ちやすい手」を発見するのは、
 人間のほうが優れている。(と思う)


これは当たり前のようなことなんですが、少し気づきづらいと思います。
「実戦的に勝ちやすい手」を発見するのは人間の方が、優れていると思います。

人間同士の対局では「勢い」や「流れ」など有機的な物が多く含まれていると感じます。
一方将棋ソフトは「無機的」に感じる指し手が多く、それは人間にはあまり真似出来ないと感じますね。


④自分の指したい手を指すのが一番面白い。

最後にコレです。
将棋は結局、自分の指したい手を指すのが一番楽しいゲームなのではないでしょうか。

将棋ソフトで研究しているといつの間にか自分の思い付いた手などを、
将棋ソフトに聞かないと良いか悪いか解らなくなって来る瞬間があります。

将棋ソフトに聞くのは全て悪いことだとは思いませんがなんとなく、
自分自身の将棋についての判断能力が低下していくように感じますね。


他にも細かいことは色々あるんですが、大きな理由は以上です。

将棋を強くなるには結局最終的に、誰にも頼らず自分自身を強くしていくしか無いと思うので、
あまり「物」に頼るのは良くないと最近考え始めました。

たま~には使うこともあるかもしれませんが出来る限り使う頻度は、
減らしたいと思いますね。


第2期叡王戦決勝三番勝負 第2局 佐藤天彦九段 対 千田翔太五段 を観戦した感想。

先ほど「第2期叡王戦決勝三番勝負 第2局 佐藤天彦九段 対 千田翔太五段」が終局したので、
簡単にですが観戦した感想を書きたいと思います。

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佐藤名人の先手で図に。
佐藤名人は序盤から解りやすく、▲25歩を決める矢倉模様の指し方。

今のプロ間では滅多に見ない序盤ですがコレを見たときは、
佐藤名人の「力で相手を負かしてやろう」と言う強い気持ちを感じました。

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この▲46歩と突いて大昔のような矢倉の序盤戦になりましたね。

少し余談ですがここ最近、昔の棋士の名局集が多く出ているために、
こういう古い序盤の相矢倉戦を並べる機会があります。

自分はそういう古い矢倉戦を並べているときよく、
「まだこの古い形の矢倉は有力なのではないか」と思う時があります。

▲25歩を早く決める指し方も先手の作戦の幅は少し狭くなるかもしれませんが、
飛車先を伸ばす手は悪手になるはずもありませんし、最近は後手の急戦矢倉も多いため、
メリットも同じくらいあると思っています。

これから他の戦型でも飛車先を早く伸ばす指し方が、多くなってくるかもしれませんね。

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少し進むと▲66銀と屋敷流の急戦矢倉の様な形に。
とにかく佐藤名人は後手の用意している研究を外し、先手番では積極的に指す方針なのかなと思いました。

ここからは難解な局面が最後まで続き、千田五段も巧く対応していたように見えましたが、
少しづつ佐藤名人がポイントを挙げ徐々にリードしていった感じです。

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この▲57角は受けの決め手に見えましたね。
佐藤名人の受け将棋の本領を発揮した一手だと思いました。

以降は佐藤名人の正確な差し回しで、そのまま押し切りました。


全体的な感じとしては前局に引き続いて佐藤名人は、完璧に近い指し回しだったように見えました。

千田五段には悪手らしい悪手はなかったように見えましたが、佐藤名人の細かくポイントを稼ぐ指し回しが、
絶妙だったと思います。

少し悪くなってからも千田五段は、あの手この手の勝負手を放っていたと思いますが、
終始落ち着いて対応され、なんとなく千田五段の力があまり出ていないような印象を受けましたね。


佐藤名人の2連勝によりポナンザとの2番勝負が決定しましたが、
こちらも楽しみです。

正直言って人間側には、体力・精神力的な問題もあり厳しいとは思いますが、
佐藤名人がどのような作戦で戦うのか、とても興味があります。

ポナンザとの対局も観戦した感想などを、書きたいと考えています。



第2期叡王戦決勝三番勝負 第1局 佐藤天彦九段 対 千田翔太五段 を観戦した感想。

ついに楽しみにしていた「第2期叡王戦決勝三番勝負 第1局 佐藤天彦九段 対 千田翔太五段」
が始まりましたね。

この記事を書いているのは対局が終わってすぐなのですが、
簡単に観戦した感想を書きたいと思います。

ちなみに書くのは序盤周辺だけです。
それ以降は難解すぎてちょっと解りませんね。

そのあたりは将棋世界などの専門誌で、正確な物を読んで貰うといいと思います。 

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振り駒で千田五段の先手になり、少し力戦調の序盤に。
この▲24歩はあまり見ませんが、ソフトはたまに指したりするみたいですね。

千田五段はソフトを使っての研究をやられていることで有名なので、
あまり驚くことはないと思います。

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少し進み図に。
この▲83歩と叩く手はポナンザVS山崎八段戦でも、似たような局面になっていましたね。

それでこの手について多く書きますが、この▲83歩と叩く順は個人的には、
「超有力」であり、実戦的でとても良い手だと今は思っています。

と言うのもこれから先は解りませんが現時点では、この形を深く研究している人は相当いないでしょう。
まあ佐藤名人クラスならそれなりに研究しているとは思いますが、アマチュアではほぼいないと思います。

何と言っても後手を似たような形(△52飛型)など形も限定しやすく、
玉飛接近の悪形にもさせており、後手を持って纏めきるのは相当大変に思えます。

早指しのアマチュアの将棋では更に難しく、前に似たような局面を持った山崎八段でさえ、
苦労して負けてしまっているからです。

以上の理由が、有力だと考えている大きな理由ですね。

ただここからの佐藤名人の手はほとんど完璧で、さすが名人を獲るだけあると感じました。

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進んで図に。
対局後の感想戦を少し見ていましたが、▲87金周辺を千田五段は悔やまれていましたね。

ただこれでも先手が少し悪いくらいで見た目では、そんなに差があるとは思えませんでした。
しかし一度優勢になってからの佐藤名人差し回しは正確で、粘りまくる千田五段を寄せ付けませんでした。

終わってみれば佐藤名人の快勝譜だったと思います。


僕が思う佐藤名人の勝因としてはポナンザ流の▲83歩の仕掛けは、
ポナンザVS山崎八段戦で似た局面を一度見ており、初見でなかったのが大きいと推測します。

たぶんこの形での▲83歩も考えたことがあったと思いますね。

ただ繰り返しになりますがそれでも実戦で、ここまで千田五段の手に対し崩れず、
正確に指してそそのまま勝ちきったのは、本当に凄いと思いました。


千田五段としては今回は負けてしまいましたが、この形は「様子見」の作戦だったのではと推測します。
ポナンザ流の作戦に対して相手はどの辺りまで知っているか、探りを入れている感じで・・・

なので1局目の負けはそこまでショックではないでしょう。
しかし次は負けてしまうと終わりなので次は「超秘策」を用意していると思います。
(二手目△32金~力戦など)

ですので次の2局目も、とても楽しみですね。

また2局目を見たら感想を書きたいと思います。



第75期順位戦昇級者予想。

佐藤天彦新名人が爆誕し、遂に第75期順位戦が始まりました。
今年度も毎年やっているように、順位戦の昇級者を予想したいと思います。

もう無くなってしまいましたが例年通り、週刊将棋方式(昇級者数+1)の人数で
予想して行きます。


C級2組(昇級者3名)

●増田 康宏 四段
●三枚堂 達也 四段
●梶浦 宏孝 四段
●黒沢 怜生 五段


毎年書きますが何と言っても、順位がモノを言うこのクラス。
そして勢いのある若手が昇級しやすいです。

と言う事で、若くて順位も良い以上4名を予想したいと思います。
何と言っても注目は、18歳の増田五段ですね。

増田五段は他棋戦にも期待しています。


C級1組(昇級者2名)

●佐々木 勇気 五段
●千田 翔太 五段
●永瀬 拓矢 六段


以上を予想したいと思います。

このクラスも順位が大きいですがこのクラスは、「強い人はスッと上がる」イメージが強いです。
全員勢いがあり、実力もトップクラスだと思います。

特に永瀬六段は、別格だと感じますね。


B級2組(昇級者2名)

●菅井 竜也 七段
●澤田 真吾 六段
●斎藤 慎太郎 六段


以上を予想したいと思います。
正直今回の予想で、一番難しかったクラスですね。

と言うのも本命は実は、順位も良い村山七段を挙げたいのですが、
村山七段のアタリはキツすぎますね。(中村太地 六段も)

なのでハズしました。

アタリなどを考慮した結果、上記3名が上がりやすいのでは・・・と考えました。

中でも斎藤六段は順位的にかなり厳しいのですが、棋力的には上位だと思いますし、
一気に昇級する可能性も高いと考えました。


B級1組(昇級者2名)

●木村 一基 八段
●豊島 将之 七段
●山崎 隆之 八段


以上を予想したいと思います。

まず木村八段ですが安定して勝たれており、タイトル挑戦なども実現されて、
好調は続いているように見えました。

次に豊島七段ですが、ここ最近はあと一歩のところで負けてしまっている印象ですが、
やはり将棋の内容は常に、ポテンシャルが高く感じます。
今期こそ昇級しそうだと思いますね。

最後に山崎八段ですが、叡王戦では残念ながら負けてしまいましたが、
対ソフトを研究されていたせいか最近、少し将棋の質が変わっているように感じます。

良い方向に変わっているように感じられて、それは順位戦でも発揮されそうだと予想しました。


A級(挑戦者1名)

●羽生 善治 三冠
●渡辺 明 竜王


以上を予想します。

このお二人に関しては、もう説明もいらないですね。
ほとんどの人が、こう予想すると思います。

ただ羽生三冠に関しては現状、少し調子は良いとは思えないので、
若干不安を感じるところはあります。

ただその辺りはさすがの羽生三冠だと思うので、一気に調子を崩したりはしないと思いますね。

以上が第75期順位戦の予想です。

この予想は誰でも出来て非常に面白いので、みなさんも予想してブログなどに書かれると、
とても面白いでしょう。



週刊将棋の思い出・・・・

どうやら週刊将棋が休刊になってしまうみたいです。

週刊将棋:休刊へ 96年ピーク、部数減少

これはとても残念ですね。
自分も買っていただけあって、寂しく感じます。

自分と週刊将棋の出会いは約20年位にやっていた、ローソンでのアルバイトをしていた時に
たまたま店にあった新聞の中に入っていて、それを見たのが初めてだったと思います。

ちょうどその頃くらいから将棋を始めた時期でもあったので、

「こんな新聞もあるんだ」と思いましたね。

それからちょくちょく買うようになり、社会人になってからは定期購読をして読んでました。
通勤のバスや電車・その他移動時間に見ていました。

しかし自分以外で週刊将棋を読んでいる人は殆ど見かけなかったので、
「週刊将棋を読んでいる人、マジでいねーな・・・」と思ったこともあります。

やはり今はネットが完全に普及してしまったのが原因でしょうね。
特に近年ではスマホが発達し、携帯でネットが見やすくなりましたし・・・

数少ない将棋関係の出版物が減ってしまい、とても残念だと感じました。

第74期順位戦昇級者予想。

また順位戦の昇級者予想をする時期がやって来ました。
いつもと同じように各クラス「昇級者数+1名」で、予想していきたいと思います。

C級2組(昇級者3名)

●藤森哲也 四段
●永瀬拓矢 六段
●三枚堂達也 四段
●増田康宏 四段


この4名を候補に挙げたいと思います。

理由としては上から3人は。順位が良く勝率も高い。
そして4名とも若い。

何と言っても、順位がモノを言うこのクラス。
順位が上なほど上がる確率が高いのは事実です。

それから一番注目したいのは、増田新四段ですね。
増田四段は新世代の、タイトルホルダーになる可能性も高いと思っています。


C級1組(昇級者2名)

●中村太地 六段
●斎藤慎太郎 五段
●千田翔太 五段


この3名を候補に挙げたいと思います。

まず中村六段ですが、前期はほぼ確定級で上がると思っていましたが、
思うように勝てず上がれませんでした。

今期こそは上がってくれると思います。

斉藤五段は個人的に大プッシュしたい棋士の1人です。
電王戦でも活躍してくれましたし、順位戦でも活躍してくれるでしょう。

千田五段も各棋戦で勝ちまくっている棋士なので、
かなり可能性が高いと思います。


B級2組(昇級者2名)

●糸谷哲郎 竜王
●菅井竜也 六段
●澤田真吾 六段


この3名を候補に挙げたいと思います。

糸谷竜王と菅井六段については、もう理由を書かなくてもいいくらいですね。
現在大活躍中の棋士ですから。

澤田六段は、前期はあまり目立った活躍はしていませんが棋譜を見る限り、
いつも力の入った将棋を指しており、着実に力を付けていると思います。


B級1組(昇級者2名)

●阿久津主税 八段
●木村一基 八段
●豊島将之 七段


この3名を候補に挙げたいと思います。

まず阿久津八段ですが、前期A級で全敗という信じられない成績でしたが、
やはりB1組では、頭ひとつ抜けていると思います。

木村八段は前の予想では、候補に挙げていませんでしたが、
ここ最近の将棋を見ていると、調子を上げて来られていると感じました。

豊島七段については、理由を書かなくてもいいくらいですね。
常に勝ちまくりです。


A級順位戦(挑戦1名)

●渡辺 明 棋王
●佐藤天彦 八段


この2名を候補に挙げたいと思います。

渡辺棋王からですが、そろそろ渡辺さんが名人に挑戦する姿が見たいです・・・
(毎年同じことを書いているような気がする)

そして佐藤天彦八段ですが彼は実は密かに、大きな野望を持っていると感じます。
表には出さないですが、絶対に「狙っている」はずです。

僕は佐藤天彦さんの将棋には「王道」を感じることが多いです。
何かやってくれそうな気がしてます。

以上が僕の、第74期順位戦の挑戦者&昇級者の予想です。
今回も結構、自信はありますね。


将棋電王戦FINAL 第5局 阿久津主税八段 vs AWAKE を観戦した感想。

何かと話題になっている、将棋電王戦FINAL 第5局 阿久津主税八段 vs AWAKE を
観戦した感想を書いていきたいと思います。

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阿久津八段の先手で、藤井流の力戦四間飛車に。

阿久津八段は、居飛車も振り飛車指しこなす棋士なので、
特に驚くこともなかったですね。

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後手から角交換するのは、少し驚きました。
従来はほとんど振り飛車側から角交換するので、先手が1手得した感じです。

将棋ソフトと言うのは、ほんとに手得手損にはこだわりがないんだなぁ・・・と
思いました。

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この▲28銀は、何か用意した作戦を感じさせます。
怪しい雰囲気でした。

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そしてなんと後手のAWAKEは、△28角と言う錯覚したような手を指しました。
これはとても驚きましたね。

聞いたところによるとAWAKEは、この局面になるとこの△28角を
指してしまうことがあるみたいですね。

僕もなんとなくは知っていましたが、ここに至る手順などは全く知らなかったので、
まさか本番で見れるとは思いませんでした。

そして正直もうこの時点では、先手の勝ちが決まっている状態だと思います。

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阿久津八段もそれを知っており、角を打ってこられたら角を捕獲する手順を用意していたみたいです。
そして後手はもう角捕獲は逃れられないので、この局面で投了してしまいました。

ちょっと衝撃的な幕切れでした。

この投了にも第二局と同じよう色々な意見があり、議論され続けるとは思いますが、
このまま続けても後手に勝ちはないので、投了は仕方がないと僕は思います。

それとこの角捕獲の手順を指した阿久津八段には、全く問題無いでしょう。
この一局でどちらが側が勝ち越すか決まりますし、弱点があればそこを突くのは当たり前だからです。

阿久津八段は「勝負師」として冷静で正確な判断をし、勝ちの可能性の最も高い指し方を選んだだけの事です。

こうして電王戦FINALは、人間側の3勝2敗で終わり、
初めての勝ち越しになりました。


今回の電王戦は将棋ソフトの強さも目立ちましたが同じくらい、
「不安定さ」も目立った電王戦だったと思います。

人間側(プロ棋士)の「裏ワザの見つけ方」も、今までで一番目立ちましたね。

将棋ソフトは確かに強いですが、まだまだ調整するべきところがあり、
課題は多くあると感じました。

電王戦は「FINAL」とありますが、こういう企画はもっとやっていって欲しいと思います。



将棋電王戦FINAL 第4局 村山慈明七段 vs ponanza を観戦した感想。

今回も簡単にですが、将棋電王戦FINAL 第4局 村山慈明七段 vs ponanza を、
観戦した感想を書きたいと思います。

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先手ponanzaで始まり、初手は☗78金と言う出だし。
初手☗78金は少し損だとは思いますが、何を考えてコレを選んだのか謎ですね・・・

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戦型は結局、相横歩取り。
これは少し意外でした。

相横歩取りはまだ完全にダメになった訳ではありませんが、
ここ数年はほとんどの変化が、先手良しだったと記憶しています。

もちろん村山七段には、何かしらの研究があって相横歩取りにしたのだと思いますが、
僕は少し嫌な予感がしましたね。

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そして☗77歩には驚きました。
解説だった森下九段が言われていましたが、この手は相当見ない手です。

細かい説明は省きますが、さすがにこの手は悪い手ではなくても「良い手」の可能性も
限りなく低いので、後手が作戦勝ちし易い展開になるだろうと思いました。

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☗36飛と激しい順も避けponanzaは、徹底的に持久戦をめざしているんだなぁ・・・と感じました。
持久戦にすれば人間側が一方的に消耗するので、自分が勝ちやすいと考えているのか・・・?

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☖84歩では☖82歩もあったとは思いますが、強襲する順もあるので、
こっちにしたんだろうと思います。

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この☗28歩は本当に手堅いと思います。
そしてこの手堅さが、毎年良い成績を残す秘訣だと感じますね。

勉強になります。

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先手は何手も手損する感じになっていますが、馬を急所に作りこれで五角以上と言う事でしょう。
しかしこのソフトの感覚は、ちょっと人間には真似できないと思います。

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序盤は後手が作戦勝ち気味だったと思いますが、手が進んでみるとそうでもなく、
結局先手だけ馬を作った勘定になっており、先手十分かそれ以上の形になっていると感じました。

とにかく馬が手厚すぎますね。

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後手もどうにかして、馬にプレッシャーを掛けている様子ですが、
玉形が不安定な状態なので、良くするにはかなり大変そうです。

実戦的には、先手が勝ちやすい流れに見えました。

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駒がぶつかってからのponanzaは、完璧な指し回しに見えました。

☖45桂は勝負手に見えましたが、明らかに無理そうな感じで、
後手が相当苦しそうだと思います。

何をするにしても、後手玉が薄すぎます・・・

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先手は馬取りになっていますが、ここで☗84歩と決めに出ました。
この☗84歩が強烈で、ここからは後手に勝ちが無くなっていると感じました。

以下まだ続きましたが何も起こることはなく、先手が勝ちになりました。

一局を振り返ってみると本局も前局と同じくらい、将棋ソフトの圧勝だったと思います。
しかし村山七段には悪手らしい悪手は、特に無いように見えたのですが・・・

ちょっと本局は、ponanzaが強すぎました・・・
正直言ってもうponanzaは、タイトルホルダー並みの強さはあると思います。

これで人間側・ソフト側も2勝2敗で並びました。
第5局の阿久津八段に、期待したいと思います!!!


将棋電王戦FINAL 第3局 稲葉陽 七段 vs やねうら王 を観戦した感想。

将棋電王戦FINAL 第3局 稲葉陽七段 vs やねうら王 を書きたいと思います。

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稲葉七段の先手で、横歩取り☖33桂戦法に。
この☖33桂戦法は現在では、プロ・アマ問わずあまり見ない戦型だと思います。

☖33桂戦法は個人的には「まだ何かあるんじゃないか?」と思って、
たまに研究したりする形です。

なのでやねうら王が採用しても、特に驚きはしなかったですね。

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☖33桂に対して稲葉七段は、☗36飛と引きました。
僕はコレには「おやっ?」と感じました。

と言うのもこの☗36飛は、比較的古い形だからです。
一番良く指されているのは☗58玉(下図)だと思います。

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先ほど上に「たまに研究する」と書きましたが研究しても、
「これは行ける!」とは中々なりません。

その大きな理由は、この☗58玉が手強く後手が簡単には良くならないからです。
☗58玉に対しての後手の手が難しい。

一番後手に可能性があるのは、☖14歩だと思っているのですが、
☖14歩に対して先手に☗16歩と指されると、いきなり終盤戦になる可能性があります。

更に進めると☗16歩には☖62玉と指しますが、☗15歩~(下図)の仕掛けがあったりします。

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この激しい順は、羽生-森内戦などでも指された事もあり、
結構有名だと思います。

そしてこの仕掛は十分成立しており、基本的に先手が良くなる順が多いでしょう。

僕はこの激しい順に、あまり自信が持てる変化を見つけられなくて、
☖33桂戦法は指さないです。

あともう一つ指さない理由として、もしこの激しい順を先手が指さなくて、
そこそこ持久戦になった時に、下図のような後手の囲いが気に入らないからです。

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☖33桂戦法では後手は、「金無双の出来損ない」みたいな囲いにすることが多いです。
これが相当気に入らない。

この囲いをケアしながら戦って、勝てる気がしないです・・・
(相振りの金無双でも、気に入らないのに・・・と言うか「金無双」は囲いって言うレベルじゃねぇぞ!

少し余談になりましたが、以上が僕が☖33桂戦法を指さない理由です。

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☗36飛以降は、完全な力戦形になって行ったと思います。
☖44歩~45歩は先手玉の小鬢を狙い、いい感じの駒組みでしたね。

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☗28歩と謝らしたところでは、後手にあまり不満のない展開だと感じました。
こうなるのであれば☖33桂戦法も指してみたくなりますね。

先手としては、あまり面白くない展開だと思います。

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まだまだじっくりとした戦いになると思いましたが、☗27歩といきなり激しくなりました。
この後手の攻めを呼びこむ順は、相当怖いと感じました。

なぜ稲葉七段が、この激しい順を選んだのか解りませんが、
やはりこのまま持久戦になれば、後手がジワジワ良くなっていくので、
仕方がなかったのでしょうか・・・?

しかし結果的にはこれが敗因で、自爆したような形になったと思います。

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少しリードしてからの後手の指し回しは、非常に巧かったと思います。
この角を捌く☖22角も好手でしたね。

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数手後の☖66桂の強烈な一撃を貰ってからは、先手に勝ちはないと思います。
ここからはまだ少し続きましたが、以下後手の勝ちになりました。

一局を振り返ってみると後手の、やねうら王の完勝だったでしょう。

稲葉七段としては何故か本来の力が出せてない、不出来な将棋だったと思います。

これで対戦成績は人間側から見て、2勝1敗になりました。
残る将棋ソフトは別格に強いソフトだと思いますが、人間側が勝って欲しいですね。


僕が思う、アマチュアの将棋の勉強法。

僕はある支部に所属していて、そこでリアル将棋を指すことがあるのですが、
たまに初心者のオッチャンなどに「どうやったら、将棋が強くなりまんねん」みたいな事を聞かれる時があります。

その時には僕なりに「こうしたら、ええんちゃいますか~」と答えるのですが、
大体いつも言う事は同じです。

今回はその時に言う主な事を、まとめて書いておこうと思います。


その1・・・ツマラナイと感じることは、一切しなくてよい。

まずコレです。これはいつも一番初めに言いますね。
自分がツマラナイと感じることは、一切しなくていいと思います。

例えば、終盤力を鍛えるためには「詰将棋」を解くことが一番いいと言われますが、
詰将棋が苦手だったり、面白く無いと思う人も多いでしょう。

その場合は無理して、やらなくていいと思いますね。

まあ本当はやった方がいいのでしょうけど、我々はアマチュアですし、
そこまでしてやる必要性はないと感じます。

そのうち必要性を感じるようになれば、自然にやるようにもなるとも思います。


その2・・・苦手なことはしなくてよい。

次に言う事はコレです。
自分が苦手だなぁ・・・と思うことはしなくていいでしょう。

例えば、「受け」が苦手な人がいたとします。
この場合はもう苦手な「受け」の力を強化するより、「攻め」の力を伸ばした方がいいでしょう。

更に言うとこの場合、なるべく自分が受けに回る展開にしないようにするよう、
考えればいいと思います。

例えば、先攻しやすい急戦系の戦法を指すようにする・終盤が攻め合いになりやすい戦法を指す・・・などです。
解りやすくTVゲームなどの、パラメーター振り分けみたいにすると、

攻撃力 ●●●●●
守備力 ●●●●●


↑コレみたいにするよりも、

攻撃力 ●●●●●●●●●●
守備力


↑コレみたいにした方が、いいと思います。 
アマチュアでは、絶対こっちの方がいいと感じます。

短所を補うより、長所を伸ばせ!!!ですね。


その3・・・将棋世界・NHK将棋講座を毎月買って読む。

最後にコレでしょうか。
将棋を指すのであれば、この2つの雑誌は必ず買って読んだ方がいいと思います。

実は支部に入って驚いたことに実際将棋を指す人でも、
将棋雑誌や定跡本などをあまり読まない人がいることがあります。

僕はリアル将棋を指す前までは将棋ファンであれば、最低将棋世界はみんな必ず買っていると
思っていましたから・・・

買わない人の理由に「雑誌は高い」と言う人がいるんですが、
この2冊を毎月買っても、将棋世界は800円・NHK将棋講座は530円の合計1330円です。

趣味で使う毎月の約1300円位は、使ってもいいんじゃないでしょうか・・・
あとこの2つの雑誌は内容も濃いですし、これでその値段はまだ安いと思います。

それと将棋世界は当然として、NHK将棋講座を押す理由として、
TVで放映されない感想戦の、まとめなどが載っていることがあります。

この感想戦のまとめには結構「こんな手が、その後にあったのか!」みたいな事が載っており、
その手を真似して、ネット将棋やリアル将棋で白星を稼がせて貰ったことが過去にありますね。


まあ他にも色々とありますが、あんまり多く言うと消化するのに大変なので、
いつもこの3つくらいにしています。

とにか上にも書きましたが、我々はアマチュアで「趣味」で将棋を指しているのですから、
無理に嫌なことや面白く無いと思うようなことをするより、
楽しく出来るようにすることが、一番重要だと思っていますね。


将棋電王戦FINAL 第2局 永瀬拓矢 六段 vs Selene を観戦した感想。

将棋電王戦FINAL 第2局 永瀬拓矢 六段 vs Selene を観戦した感想を書きたいと思います。

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先手がSeleneで、序盤はよく解らない序盤に。

このSeleneと言う将棋ソフトのことは全然知らないんですが、
序盤はよく変な手を指すらしいです。

まあ細かとことは気にしない、大らかな性格なんでしょう。


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後手だけ飛車先の歩を交換できて、後手に全く不満はないと思います。

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後手は無理に動くこともないので、先手に右玉にされても気楽ですね。
先手がどう打開していくかが注目でした。

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どう打開するか注目でしたが、☗75歩の仕掛けはいいタイミングだったと思います。
こういう展開は将棋ソフトが上手く指しやすいので、少し先手ペースになったと感じました。

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快調に先手が攻めていると思いましたが、後手も右玉の急所である端から反撃し、
形勢は互角だと思います。

将棋ソフトは受けが強いですが、さすがに急所を突かれると完璧には受け切れない感じです。
この辺りは、さすが永瀬六段だと思いました。

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ただ端は後手も怖いところで、先手も負けずに応戦。
しかしこの局面では先手の方が、少し悪い感じがしました。

理由としては、後手からの角二枚の反撃が強烈だったからです。

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その強烈な角を打たれて、この局面では負になっていると思います。
このまま普通に、後手勝ちで終わると思いましたが・・・

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なんとSeleneは「角の不成」に対応できないらしく、以下反則負けになってしまいました。
コレには驚きましたね・・・

この「成らずに反応できなく反則負け」はこの後、色々なところで賛否両論議論されているみたいですが、
僕の考えとしては、永瀬六段に全く否はないと考えています。

「駒の不成」特に飛車・角・歩の不成は、実戦ではまず出ませんが、
99.9%出現しない訳ではありません。

局面によっては、飛車・角・歩の不成が世紀の絶妙手になる局面も、
場合によってはあるはずです。

出現する可能性が0.000000001%でもある限り、
将棋ソフトは不成にも対応出来るよう、作るようにしておくべきだと思います。


あとなぜ永瀬六段が早い時点で不成を試さなかったのかは、永瀬六段しか解りませんが普通に考えると、
「始めは普通に指して、負けそうになったら試してみよう」と考えていたのではないでしょうか。

これは僕の憶測ですが・・・あと早い時点で試しもし勝ってしまうと、色々と予定も狂いますし。
永瀬六段は周りの事も色々考慮して、この局面で試したのだと思います。

更に言うと永瀬六段が不成を試した局面は、ほぼ永瀬六段の勝勢だったと思います。

そのまま指していれば、99.9%永瀬六段の勝ちだったと思いますが、
それを100%にするのと、本当に本番でも不成に対応できないのか見たかった(見せたかった)
のだと思いますね。


まあしばらくは、この永瀬六段の勝ち方は議論されると思いますが、
「これも対ソフト用の戦い方」だと思えば納得できます。

それくらい人間は「将棋ソフト=コンピューターに勝つこと」が大変で、
手段を選んでいられないのです。

永瀬六段も自分がどうこう言われるのは、覚悟の上だったと思います。
(どうなるかはなんて、一晩考えれば想像がつく)
プロ棋士としての葛藤も、勿論あったでしょう。

僕は永瀬六段は人間代表として、立派だったと思っていますね。
(そもそもルール違反は、全くやっていませんし)

これで人間側の、2連勝と言う状態になりました。
来週もこの勢いで人間側が、勝って欲しいと思います。


将棋電王戦FINAL 第1局 斎藤慎太郎五段 vs Apery を観戦した感想。

今年も大注目の電王戦が始まりました。
簡単にですが第1局の「 斎藤慎太郎 五段 vs Apery」を観戦した感想を、書きたいと思います。

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戦型は後手Aperyの、ごくごく普通の四間飛車に。

コレには少し驚きましたが、将棋ソフトの振り飛車は手強いと噂だったので、
「長くて大変な勝負になるだろうな・・・」と思いました。

しかしながら「大変になる」とは思いましたが、「一発で終わる」と言う事はほぼ無くなったので、
ちょっと安心したと言うのも正直なところでしたね。

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てっきり相穴熊の超持久戦になると思っていましたが、後手がカナリ積極的に動きました。
しかしこの序盤はどうだったでしょうか・・・

後手は61の金も離れ駒になっていますし、角交換後の2筋のケアも考えなくてはいけません。
この動き方は全くないとは言えませんが、ちょっと後手にリスクがありすぎる動き方だと感じました。

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そして後手は2筋さえ受けずに、一直線の攻め合いの順を選びました。
コレには驚きました・・・

常識的に考えて上図の局面では、61の金取りになっているのでここまで読んで、
ほとんどの人は「これはダメ」と考えると思います。

けれど強い将棋ソフトの事なので、「この先に何か凄い手があるのだろうか・・・」と
思っていました。

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後手は61の金取りも受けずに、猛烈な攻め合いに。
コレにも相当驚きました。

なんせこの順は第一感、先手が攻め合い勝ちしそうだからです。
さすがにこの局面では「先手が正解手を指し続ければ、勝てるのではないか?」と
思いました。

結果的にこの攻め合いが無理で敗因だと思いますが、後手は何を考えてこの順に飛び込んだのか
よく解りません。

多少失敗していても、後手は我慢しようと思えばもっと我慢出来たはずですし・・・
「不利な時は戦線拡大」と言う格言はありますがこの場合は、ただの自爆になっていると思います。

何かバグな様な物があったのではないか・・・?とさえ感じました。

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以降はもう後手の手も止まらず、一直線の順ばかりだったと思います。
この竜と角の交換も淡白だったでしょう。

ただもうこの辺では、修正する順も難しかったのかもしれませんね。

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先手も最強の順で応じ、上図以下勝勢になり勝ちとなりました。
これで人間側が久しぶりに、リードする形になりましたね。


本局は斎藤五段が少し指しやすい局面から、完璧な指し回しで勝ち切った将棋だと思います。
さすがの将棋ソフトも完璧な指し回しに、力を出せない様子でした。

Aperyからしてみれば、相当不出来な将棋だったでしょう。
全くAperyの良さが、出ていなかったと思います。

何故ここまでAperyが、本来の力を出せなかったのか解りませんが、
ソフトも戦型によっては、暴発してしまう事もあると言う事でしょうか。

電王戦は始まったばかりなので、これからどうなって行くか楽しみですね。


NHK杯将棋トーナメント 行方尚史 八段 VS 橋本崇載 八段 を観戦した感想。

つい先日(2015/3/8)に何かと話題になった、TV対局がありました。
その対局とはハッシーこと、橋本八段が登場するNHK杯です。

橋本八段と言えば、面白いパフォーマンスをする棋士で、
多くの人は「面白くて、そこそこ強い棋士」と思っていると思います。

しかし僕の中では橋本八段の評価は、全棋士の中でもトップクラスの棋士と評価しています。
その理由としては橋本八段を、プロ棋士になった時から見続けているからです。

今でこそ橋本八段はオチャラケていますが新四段の頃は、かなりストイックな棋士だったと記憶しています。
10代のプロ棋士として、色々なところで紹介されていましたね。

そしてその時期は今の渡辺二冠・阿久津八段なども現れだした頃で、当時の僕は(僕も20代前半だった頃)

「ついに羽生世代と戦える棋士が揃ってきたな!世代交代が見れるぞ!!!」

と、ワクワクしていた時期でした。


少し話が脱線しましたが、昔からファンである橋本八段が今期のNHK杯で好調とあって、
本局もとても楽しみにしており、リアルタイムで観戦していました。

それと今回珍しく対局の感想を書こうと思った理由がもう一つあります。
それは「先手の行方八段の指し方が、とても素晴らしかった」と言う理由です。

特に序盤は、そのまま定跡になるでしょう。
どの辺りが素晴らしかったのかは、この記事で僕なりに解説したいと思います。

そのため少し記事が、いつもより大きくなると思います・・・・
では書いていこうと思います。


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行方八段が先手になり、後手の橋本八段が序盤から工夫する展開に。
この先手居飛車に対しての4手目☖94歩は、かなり有力だと思っています。

この手の意味としては「先手に☗25歩を突いて欲しい」と言う意味です。

☗25歩を突かせると角交換~ダイレクト向かい飛車にした時に、
☖24歩~の逆襲が常に狙えます。

先手は☗25歩以外にも選択肢はありますが、その場合は後手に居飛車にされた時などに、
損になる可能性が高いです。

なので先手は☖94歩には、一番損にはならない☗25歩が必然的となります。

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☖22銀に対し先手は☗38銀と、細心の注意を払って指しました。
☗38銀には「おやっ?☗48銀じゃないのか」と思われる方もいるかもしれません。

この☗38銀には2つの意味があります。
1つは後手が居飛車に変化した時に、棒銀の含みを見せていると言う意味。

もう一つはあまり知られていませんが、「ダイレクト向かい飛車」を警戒していると言う意味です。

この☗38銀を指す局面ではまだ後手は、居飛車か振り飛車か判明していません。
そして橋本八段は、オールラウンダーでもあります。

ダイレクト向かい飛車を警戒している意味としては☗38銀の場合、
☗65角を打つ変化の時に、違いがハッキリ出る変化があります。

詳しく説明すると、☗38銀☖22飛☗65角☖74角☗43角成☖52金右☗同馬☖同金☗75金。(下図)

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もう定跡となったこの変化ですが現在では後手はここで、☖42飛が一番有力。
そのとき先手は☗74金☖同歩☗46歩!(下図)が有力と言う事が解って来ました。

後手はこの☗46歩は取れません。取ると☗55角がありますから。
取れないのであれば先手は☗47銀と、形良く駒組みをすることが出来ます。

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この時にもし☗48銀であれば、☖75歩という手があり☗同歩であれば、
☖54角が打てます。(下図)

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この☖54角は☖87角成と☖27金の両狙いで、先手は両方を防ぐことが出来ません。
☗38銀であれば27の地点に利いているので、この変化の心配はないと言う事です。

これが☗38銀の意味となります。

「お前はなんで、そんなに定跡に詳しいんじゃ!」と思う人もいるかもしれませんが、
実はこの変化、少し前に出た村田顕弘プロの本に載っています・・・

この本は超オススメ本なので、絶対買っておきましょう。



以上の変化はダイレクト向かい飛車を相手にする場合、知っていると知っていないとでは、
かなり違ってくると思うので、絶対記憶しておきましょう。


そういう事で後手はダイレクト向かい飛車にしても面白く無いので、
角交換四間飛車にしました。

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ここからの行方八段の序盤は完璧だったと思います。
まず☗96歩。

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ここで☗78玉などでは、☖95歩と指されてしまう可能性があるので、
それを阻止。

そして☖62玉には☗46歩。

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この☗46歩もここでしか成立しません。

もし☗78玉などでは☖72玉との交換になり、そこで☗46歩では☖44歩と指されて、
先手が作戦負けになりやすい。(☖45歩~飛車先交換をされてしまう)

このタイミングであれば☖44歩なら☗65角が打てるので、☖44歩は指せませんね。

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そして☖44歩には☗56銀がピッタリ間に合う。
後手の狙いを全て封じ、完璧な駒組みだと思いました。

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橋本八段もここくらいまでは当然予定通りで、☖35歩と序盤からポイントを稼ぎに来ます。
この☖35歩は橋本八段は得意にされており、かなり手強いと感じます。

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ここで☗86歩は感心しました。
すぐ見える手としては☗24歩だと思います。

しかしここで☗24歩は恐らく、居飛車がそんなに面白くない可能性が高い。
理由としてもし☗24歩であれば、☖同歩☗同飛☖23金☗28飛☖25歩(下図)が厳しそうです。

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ここからは一例として、☗77銀☖33金☗16歩☖22飛。(下図)

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これは完全に居飛車が、カウンターを喰らった感じですね。
記憶が正しければ橋本八段は、この手順で過去に快勝した将棋があったと思います。

行方八段の☗86歩~間合いを計り、銀冠に組む構想は巧妙な構想でした。

それで☗86歩に☖33桂を見て☗24歩。(下図)
これも細かい。

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☖33桂を跳ばせたことによって、先ほどの変化の☖33金がなくなっています。
数手進んで下図。

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その後は本局も、☖23金の変化のように居飛車が逆襲されたようになるのですが、
☖23金の変化とは違い先手も玉頭に手を掛けれており、これであれば先手も戦えます。

行方八段の指し回しには、感心させられてばかりでした。
数手進んで下図。

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後手の狙い筋を全て見破り、先手は無事に銀冠に組めました。
2筋は辛い形ですが、それ以上に玉形が大差です。

まだまだ互角だとは思いますが、先手が勝ち易い局面だと思います。

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橋本八段としては仕掛けられなかったので、少し面白くない展開だと思いますが、
自分からは崩れない粘り強い指し方で、ジッと我慢する指し回しは参考になります。

これぞ重量級と言う感じです。

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橋本八段の粘り強い指し方に、行方八段も手を焼いている感じでした。
☗98香は苦心の一手に見えましたね。

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僕が一番印象強く残った手は、この☗67銀です。

ハッキリ言って深い意味は解らないのですが、
「こう言う手損をする手は、自分には全くない発想だな・・・」と感じました。

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観戦していて先手が良くなったかな?と感じた手は☗56金と、
遊んでいる金が味よく活用できた局面です。

先手の金銀の連結が素晴らしく、見た目的には相当負けにくいと感じる局面でしょう。
形が良くなる手に悪手は無いですから。

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数手進んで上図に。
この☗55金とガツンとぶつけて、完全に先手ペースになったと感じました。

後手は飛車が遊んでいるのが辛そうです。

ただ後手は受けが強い橋本八段なので、「まだまだ先は長そうだな・・・」と思い見ていました。
しかし・・・

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難解な終盤戦が続いていましたが、橋本八段がまさかの二歩で反則負けに。
一瞬の出来事でしたね。

この橋本八段の二歩については色々なところで話題になっていますが、
これは仕方がないと思います。

実は僕もTVで見ていて、この局面の第一感は☖63歩でした。
僕も二歩に全く気づかず、「☖63歩にはどうするんだ?まだまだ大変だぞ・・・」
と考えていました。

たぶん他に見ている人も☖63歩は第一感の手として、
候補手に考えていた人も多いのではないでしょうか。

橋本八段も完全に、ウッカリしたんだと思います。

勝った行方八段は順位戦でも好調で、充実を感じさせる一局でした。
この将棋は参考になる手が多く、とても勉強になったと感じました。

この対局の詳細な解説は、NHK将棋講座に載るので、
それも今から楽しみですね。

ちょっと長くなりましたが以上が、この一局を見た僕の感想です。
来週からは「将棋電王戦FINAL」が始まるので、それも去年の様に観戦した感想を書いて行く予定です。



第73期順位戦昇級者予想。

第73期順位戦の各クラスの対戦表が公開されました。
そこでちょっと早いのですが毎年やっている、順位戦の昇級者予想をしたいと思います。

ちなみにこの記事を書いている現時点では名人戦が進行中で、まだA級1位が確定していませんが、
羽生挑戦者の3連勝という奪取濃厚になっているため、A級1位は森内竜王と言う事で進めたいと思います。

そして予想の仕方などは、毎度おなじみの週刊将棋方式で行います。
(昇級者人数+1人と言うやり方。)

あと余談ですが、去年の第72期順位戦昇級者予想は結構当たりました。
今年も同じくらいか、それ以上に当てたいと思いますね。

では下位のクラスから予想したいと思います。


C級2組(昇級者3名)

●永瀬 拓矢 六段
●千田 翔太 四段
●村田 顕弘 五段
●阿部 光瑠 四段

以上の4名を予想したいと思います。

理由は去年と同じで順位が良く、よく勝っている若手棋士だからです。
C2クラスは順位がかなり重要なので、上位者に予想が固まってしまいますね。


C級1組(昇級者2名)

●中村 太地 六段
●船江 恒平 五段
●斎藤 慎太郎 五段


以上の3名を予想したいと思います。
この3名もC2クラスと同じく上位者です。

このクラスの鉄板は中村六段でしょう。
かなりの確率で昇級すると思います。

あと残りの2人の枠に菅井五段を入れようかかなり迷ったのですが、
菅井五段の対戦メンバーが船江五段・斉藤五段に比べ、少しキツイと感じたので外しました。


B級2組(昇級者2名)

●野月 浩貴 七段
●戸辺 誠  六段
●稲葉 陽  七段

以上の3名を予想したいと思います。
このクラスもC1クラスと同じくらい迷いましたね。

と言うのもここに、実力者の糸谷六段を入れるか悩みましたが、
糸谷六段は順位がかなり下なのと、対戦メンバーの当たりがキツイと思ったので外しました。

この予想者の中で注目なのは野月七段です。
野月七段はもう中堅の棋士だとは思いますが、前期7勝3敗と好成績を上げており順位も良いです。

今季も活躍されると予想しました。


B級1組(昇級者2名)

●豊島 将之 七段
●佐藤 天彦 七段
●丸山 忠久 九段

以上の3名を予想したいと思います。

B1クラスは全員実力者なので差は殆ど無いと思いますが、
その中でも特に豊島七段と佐藤七段は勢いがあるので選びました。

丸山九段は安定感があるので、混戦になった時に抜ける可能性があると思います。


A級(挑戦者1名)

●渡辺 明  二冠
●広瀬 章人 八段


以上の2名を予想したいと思います。
A級は予想と言うか自分の希望ですね。

特に渡辺二冠に挑戦して欲しいです。
羽生VS渡辺と言う対戦カードは熱戦ばかりですから。

新A級の広瀬八段は、十分挑戦の可能性があると思います。
広瀬八段の終盤力には、少し他の棋士にはない特殊な物を感じますね。

予想者には入れませんでしたが、阿久津八段にも頑張って欲しいです。


以上が自分の予想です。
どういう結果になるのか楽しみです。


第3回 将棋電王戦 第5局 屋敷伸之九段 vs ponanza を観戦した感想。

毎回熱戦が繰り広げられている第3回電王戦も、ついに最後の対局になりました。
第5局はついこの前までA級だった屋敷九段の出番とあって、とても楽しみにしていました。

観戦した感想を書きたいと思います。


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屋敷九段の先手で横歩取りに。
そしてまたソフトがよく指すという△62玉が出ました。

この△62玉は色々な所で賛否両論ありますが、
僕はあまり良いイメージはありませんね。

豊島七段戦と同じような、超急戦になったらどうするんだろう?
と思いました。


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しかし超急戦にはならなく、お互い駒組みに。
この△43金はソフトらしい手だと思いました。

普通は△43銀でしょう。


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飛車を取り合う展開になり図に。
この瞬間は先手は駒損ですが、形成的には互角だと思います。

しかしこういうねじり合いが長そうな展開は、ソフトの得意な展開だと感じました。


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先手も反撃に出て図に。
この▲74歩では端の2手を生かして、▲94歩もあったと思います。

僕は▲94歩を入れた方が攻めのヴァリエーションが増えるので、
そう指したかったですね。

しかしこれも後手玉の急所を攻めているので、先手が悪くなさそうでした。


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後手も激しく応戦し、図では飛車と金桂香の交換になっています。

ですが後手の25の金もそっぽで、21の桂や角も使えていないので、
駒の損得だけでは形勢は解らないと思います。

ただこのまま持久戦になると駒損は響いて来ると思うので、
早く攻めを決めて欲しかったです。


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そして先手も急いで反撃しますが、跳ねた▲65桂も取られる展開になりました。
これで先手の駒損が更に広がり、僕はここで少し後手持ちになりましたね。

まあこれでもまだ難しいのかもしれませんが、さすがに飛車と金桂桂香の交換は、
ちょっと辛いと思います。


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そして本局で一番ソフトらしい手といえば、この△16香でしょう。
人間じゃまず指さないと思います。

相当効率は悪いと思いますが、もうこういう手を指しても優勢だと認識したんだと思います。
しかし後の展開を見ると、さすがに効率が悪過ぎたかもしれません。


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何が何でも角を取りたいと言う、ソフトの強い意志を感じました・・・


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そしてついに角を捕まえて図に。
人間が指す将棋とは別次元の凄さだと思います。


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少し進んで図に。
あの効率の悪そうな香車が、ここまで進撃しました。

さすがにここまでを読んでの指し手とは思えませんが、
確実に攻めを間に合わせるのは流石だと感じます。


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そしてどう寄せるのかと見ていたら、いきなりの△79銀。
これで寄っていたら凄いと思いましたが、本当にこれが正しい寄せなのかは少し疑問でした。

結果的にはやはり少し疑問だったのでは・・・?と思います。
普通は解説などでも指摘されていた、△96歩でしょうね。

この辺りから少し混戦模様になりました。


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屋敷九段の凄い追い上げで、▲84銀と指してからは形勢不明だと思います。
本当に凄い猛追で驚きました。


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しかしこの▲81成香がどうだったか。
解説では▲66歩で難解と言われていましたね。

ここでの疑問手は、痛恨のミスに見えました。


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飛車を投入してなんとか入玉模様にしようとしますが、
急所の銀をボロッと取られる展開は、かなり厳しかったと思います。

以下まだ続きましたが逆転には至らず、後手の勝ちになりました。


本局は序盤~中盤は屋敷九段が少し指せそうだったと思いますが、
中盤の仕掛け辺りで少しミスをしてしまい、駒損が大きく響いたのが痛かったと思います。

やはり人間は必ず何かしたら細かいミスはしてしまうので、
ソフトに粘られる展開はかなり勝ちにくそうですね。

ソフトの異常に強い中盤~終盤をどう戦うか、人間側の課題だと思います。


これで今回の電王戦は人間側の1勝4敗になりましたが、
内容的には全て大熱戦で、見ていてとても面白かったです。

電王戦はとても面白いイベントだと思うので、
来年もぜひ開催してほしいですね。

来年こそ人間のプロチームが、勝って欲しいと思います。




第3回 将棋電王戦 第4局 森下卓九段 vs ツツカナ を観戦した感想。

今回も引き続き開催されている、
「第3回 将棋電王戦 第4局 森下卓九段 vs ツツカナ」を観戦した感想を書きたいと思います。

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ツツカナの先手で戦型は矢倉に。
この▲88玉に代えて▲15歩は珍しいと思います。

他には▲26歩と突いて、加藤流にするのもあるでしょう。
この辺りの序盤の駒組みは、色々な含みが多く難しいですね。


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進んで図に。
この局面は若干後手が、巧く指した感じがしました。

森下九段の力も発揮できそうな局面で、熱戦になる予感がしました。


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▲15歩型を生かしてスズメ指しをするのかと思いましたが、
後手の4筋の位に反発する指し方に。

真っ向勝負する指し方ですが、端に2手掛けているので、
これで良くなるイメージは、あまりありませんでした。


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森下九段も最強の反発。
後手もかなり戦えていると思います。


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この△46歩は怖い手に見えました。

しかし先手からもこの歩を取るタイミングが難しいので、
森下九段の深い読みの入った一手だと思います。


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▲26歩~▲17桂は、本筋の手だと思います。
さすがですね。


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▲56歩といきなり激しくなりましたが、ここは難しかったと思います。
▲96歩などもあったとは思いますが、端の付き合いは損と見たのでしょう。

後手から見ると、この手は有難い感じがすると思います。


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金銀の交換から更に後手が駒得になりそうで、この局面は若干後手が良さそうに見えました。
ソフトの形勢判断は独特で、こういう所に人間は感覚を狂わされてしまうんでしょうね。


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そして角金交換になりましたが、この局面は相当難解だと思います。

この局面で僕は「後手が駒得で悪いはずないよな・・・」と思いじっくり考えたのですが、
よ~く考えると先手の4・5筋の厚みと位もかなり大きく、後手を持って自信がなくなってきました。

この局面を互角以上に戦えると判断する、ソフトの形勢判断は凄いですね。


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△59角は少しやり過ぎにも見えました。
△81飛や△94歩なども、あったかもしれません。

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形勢は難しいですが△57歩は、上手く手を渡す好手に見えました。
森下九段がプロらしい手で、力を出されていると思います。


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ツツカナもツツカナで、じっと力を貯める手を指していて感心しました。
ソフトは「自分から崩れる手」は全く指しませんね。

しかしここからの森下九段と、ツツカナの手順は驚愕の手順でした。


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△58歩成~△38金には驚きました。
本局の一番印象に残る手です。


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そしてそれに対する▲57金にも驚きです。
変に角を逃げるより、局面をスッキリさせたほうが良いという判断何でしょう。

あと先手は歩得なのも大きいです。

結果的にこのツツカナの手順は妙手で、ここから完全に先手優勢になったと思いました。


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一度優勢になってからのツツカナの指し手は、堅実で確実な手ばかりで、
逆転を一切許さない手の連続でした。

この▲43金も細かい手で、本当に強いと思います。
完璧ですね。


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寄せも絶対に間違えないのも凄いですね。
強すぎます。


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そしてこの▲54角が気づきにくい決め手で、以下先手のツツカナが勝ちました。


本局は序盤~中盤は森下九段にも、良くなる順があった可能性が高いと思います。
感想戦&その後の検討が載った専門誌を早く読みたいです。

そして良くなってからのツツカナの指し手と、形勢判断の正確さは凄かったと思います。
どのソフトもそうですが、形勢判断が去年より格段にアップしていますね。

あと個人的に感じたのは「玉の広さと厚み」を生かす指し方も去年より、
数段アップしている気がしました。

相矢倉の全ての駒が活躍する、とても面白い将棋だったと思います。
互角の局面が長く続き、凄く楽しめました。

電王戦は来週で最後ですが、来週もとても楽しみです。




第3回 将棋電王戦 第3局 豊島将之七段 vs YSS を観戦した感想。

今回も引き続いて開催されている、
「第3回 将棋電王戦 第3局 豊島将之七段 vs YSS」 を観戦した感想を書きたいと思います。

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豊島七段の先手で、戦型は横歩取りに。
まだ序盤なので定跡通りに進むかと思っていましたが、YSSは△62玉と指しました。

これはかなり珍しいと思います。

全くない手ではないと思いますが、現時点でこの手がプロ間でほぼ指されていないという事は、
あまり良い手ではない可能性が高いと思いますね。

それとあまり詳しくは知らないんですが、どうもYSSはこの手は結構指すらしいです。
何故だか解りませんが・・・

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△62玉に対して豊島七段は猛攻を掛けました。
どうも研究だったみたいです。

この攻めで優勢になるのであれば、話は早いです。

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▲21角にどう受けるのかと見ていましたが、△31銀とYSSは受けました。
僕はここでは△25歩だと予想していました。

正直△31銀は、一番まずそうな受けだと感じます。
しかしソフトは受けが強いので、何か人間の気づかない受けの好手を用意しているのかと思いました。

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数手進んで図に。
この進行は奇抜な手もなく、自然に進んだ図だと思います。

正確には先手が少し良さそうだとは思いますが、まだまだ大変な局面だと感じました。

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豊島七段が少しづつ優勢を拡大して行き図に。
この△88歩は、プレッシャーをかける好手だったと思います。

簡単に受かりそうと思いましたが、じっくり読むと容易では無いと気づきました。
この辺りは、YSSの強さを見せましたね。

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容易ではないかと思いましたが豊島七段の受けが正確で、更にリードを拡大させて行ったと思います。
ハッキリ優勢になりました。

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僕の本局で一番印象に残った手は、この△14金です。
ハッキリ言ってこういう手は、ソフトにしか指せないでしょう。

この手は正直悪手だとは思いますが、こういう手を平気で指せるソフトには、
少し恐ろしさを感じますね。

YSSの根性の入った一手のように感じました。

図の局面はかなり形勢に差が付いていると思うのですが、
ソフト独特の勝負手だと思います。

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YSSも必至に喰らいつこうとしますが、一向に形勢は変わらず、
この▲65桂が決め手に見えました。

以下▲65桂からも手は続きましたが、豊島七段が危なげなく勝ち切りました。


本局は豊島七段の完勝だったでしょう。
豊島七段のYSS対策が、ピンポイントで的中した感じです。

YSSとしては本来の力が出せていない展開になり、
悔いの残る一局だったと思います。

しかし序盤の駒組みさえ克服できれば、一気に強くなれる可能性があるので、
次のコンピューターソフトの大会などに期待したいですね。

これで人間側が待望の1勝を挙げたので、これからどうなって行くか注目し続けたいと思います。



第3回 将棋電王戦 第2局 佐藤紳哉六段 vs やねうら王 を観戦した感想。

何かと話題になっていた電王戦第2局を、観戦した感想を書きたいと思います。
(この記事も本局を観戦したすぐ後に書いています)

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先手の初手▲16歩から図に。

初手▲16歩は少し驚きましたが、図になってみると数年前からたまに見る、
力戦振り飛車の序盤になっていました。

この形は後手番でも有力なので、先手番だと更に有力だと思います。


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力戦振り飛車になるかと思いましたが、数手後には藤井システム風の形になっていました。
これには少し驚きました。

角道を閉じた四間飛車は現状先手でも、少し勝ちにくいとされています。
先手なので後手の時よりはマシだと思いますが、それでも大変だと思います。

正直この局面になったときは
「後手にかなりチャンスが来た」と感じました。


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後手は一番勝ち易いと言われている居飛車穴熊に。

この▲36歩は少し変わっていますが「少し変わっているだけ」で、
特に狙いはないと思います。


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少し進んで図に。
▲56銀は予想していませんでした。

理由として▲56銀型は後手に△72飛などと指された時に、千日手になりやすいと言われているからです。
基本的に後手番で用いる形なので、先手で採用するとは思っていませんでした。

僕ならこの形を見た瞬間、その千日手で揺さぶる順に誘導しようと考えます。
後手の佐藤六段も、てっきりそうするだろうと思っていました。


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しかし予想に反して、後手から決戦の順になりました。
けれど僕はこの「後手から決戦」は、あまりしないほうがよかったのでは・・・と思います。

と言うのも、この決戦の順は定跡本などでは「居飛車良し」が多いのですが、
実際指してみると結構難しかったり、穴熊でも実戦的に嫌な順もあると感じています。

ソフト相手に終盤のミスは許されませんし、何より本局は「負けられない戦い」です。
後手番であるのならあまり無理をせず、千日手を狙う方が「勝ちにこだわる指し方」だと思いますね。

千日手を狙えばソフトが、千日手を無理に打開して来る可能性もありますし・・・

これで悪くなった訳ではありませんが決戦の順を見た時は、
嫌な予感がしました。


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▲86同角はあまり見ませんがこれもあります。
もし▲86同歩に限定させたければ、△75歩から突き捨てた方が良かったかもしれません。

ここで後手が、少し損をした可能性があります。
(▲86同歩型の方が、確実に決戦の順に出来るため)


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決戦の順はあまり良くないと思いましたが、ここで▲25桂と指してくれるのであれば、
成功していると思います。

この▲25桂は明らかに無理筋だからです。

こんな単騎の桂跳ねで、穴熊が潰れる可能性はないですし、
良くなるわけがありません。

もしかすると佐藤六段の研究手かもしれませんね。


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数手後には後手は駒得に。
この局面を見た時は「後手が正しく指せば勝てる!」と思いました。


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△25歩は、より良くしようとした強い手です。
僕は△32金を予想していました。

この辺りは棋風が出ますね。
駒得をしたので、受けに回るのもあったと思います。


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桂損をして先手はどうするのかと思っていたら、▲74歩~6筋を突き捨てて継ぎ歩でした。
この継ぎ歩は全く予想してませんでしたね。

しかしよく見るとこの順は、△25歩を咎めています。

正直、佐藤六段は△64歩を突き捨てられた時、この順を軽視していたと思います。
もしかすると完全に、ウッカリしたのではないでしょうか?

この継ぎ歩が嫌なのであれば、突き捨てを△同銀と取ればとよかったですから。
しかし△同銀だと角を切られて、無理やり突破する順がチラチラ見えます。

ソフトの無理攻めが、実戦的に嫌だったのかもしれません。

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数手後の△83飛は、相当感触が悪いと感じました。
この辺りで形勢を損ねた可能性が高いと思います。

そしてこの辺りから、佐藤六段の持ち時間も切迫してきました。


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進んで図に。

先手に6筋を突破されて、巧い受けもなかったので攻め合いに。
この局面は、もうこれしか無いと思います。

しかしこの順は大迫力で、先手も間違うと即負けます。


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△16桂からの猛攻。
この瞬間は後手玉は、硬くて遠いです。

「後手の猛攻が決まるかもしれない・・・」と思いましたが・・・


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しかし▲48金引が味が良い受けの手で、後手が少し足りない様な気がしました。
どこかでこの手は出ると思っていました。

ソフトは本当に、受けが強烈に強いですね。


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後手の猛攻は続きますが、先手は完璧に受け続けます。
この▲75歩は激辛流だと感じました。


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後手の攻めを受け切ってからの反撃は、的確で粘りを許しません。
この▲44角が激痛で、以下先手が勝ちました。


本局は序盤は佐藤六段が少し良さそうだっただけに、
少し残念だったです。

しかし先手のやねうら王も序盤は悪くしましたが、
それ以降は決定的な悪手を指さず、自爆しなかったのは流石だと思いました。

ピッタリと後ろについて、後手にプレッシャーを掛けていました。
それと「普通の四間飛車」で勝ったと言うのも、地味に大きいと思います。

普通の振り飛車ファンにとっては、少し嬉しい勝利かもしれません。


以上が本局を観戦した感想です。
電王戦はまだまだ続くので、また観戦記を書きたいと思いますね。