将棋電王戦FINAL 第3局 稲葉陽 七段 vs やねうら王 を観戦した感想。

将棋電王戦FINAL 第3局 稲葉陽七段 vs やねうら王 を書きたいと思います。

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稲葉七段の先手で、横歩取り☖33桂戦法に。
この☖33桂戦法は現在では、プロ・アマ問わずあまり見ない戦型だと思います。

☖33桂戦法は個人的には「まだ何かあるんじゃないか?」と思って、
たまに研究したりする形です。

なのでやねうら王が採用しても、特に驚きはしなかったですね。

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☖33桂に対して稲葉七段は、☗36飛と引きました。
僕はコレには「おやっ?」と感じました。

と言うのもこの☗36飛は、比較的古い形だからです。
一番良く指されているのは☗58玉(下図)だと思います。

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先ほど上に「たまに研究する」と書きましたが研究しても、
「これは行ける!」とは中々なりません。

その大きな理由は、この☗58玉が手強く後手が簡単には良くならないからです。
☗58玉に対しての後手の手が難しい。

一番後手に可能性があるのは、☖14歩だと思っているのですが、
☖14歩に対して先手に☗16歩と指されると、いきなり終盤戦になる可能性があります。

更に進めると☗16歩には☖62玉と指しますが、☗15歩~(下図)の仕掛けがあったりします。

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この激しい順は、羽生-森内戦などでも指された事もあり、
結構有名だと思います。

そしてこの仕掛は十分成立しており、基本的に先手が良くなる順が多いでしょう。

僕はこの激しい順に、あまり自信が持てる変化を見つけられなくて、
☖33桂戦法は指さないです。

あともう一つ指さない理由として、もしこの激しい順を先手が指さなくて、
そこそこ持久戦になった時に、下図のような後手の囲いが気に入らないからです。

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☖33桂戦法では後手は、「金無双の出来損ない」みたいな囲いにすることが多いです。
これが相当気に入らない。

この囲いをケアしながら戦って、勝てる気がしないです・・・
(相振りの金無双でも、気に入らないのに・・・と言うか「金無双」は囲いって言うレベルじゃねぇぞ!

少し余談になりましたが、以上が僕が☖33桂戦法を指さない理由です。

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☗36飛以降は、完全な力戦形になって行ったと思います。
☖44歩~45歩は先手玉の小鬢を狙い、いい感じの駒組みでしたね。

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☗28歩と謝らしたところでは、後手にあまり不満のない展開だと感じました。
こうなるのであれば☖33桂戦法も指してみたくなりますね。

先手としては、あまり面白くない展開だと思います。

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まだまだじっくりとした戦いになると思いましたが、☗27歩といきなり激しくなりました。
この後手の攻めを呼びこむ順は、相当怖いと感じました。

なぜ稲葉七段が、この激しい順を選んだのか解りませんが、
やはりこのまま持久戦になれば、後手がジワジワ良くなっていくので、
仕方がなかったのでしょうか・・・?

しかし結果的にはこれが敗因で、自爆したような形になったと思います。

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少しリードしてからの後手の指し回しは、非常に巧かったと思います。
この角を捌く☖22角も好手でしたね。

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数手後の☖66桂の強烈な一撃を貰ってからは、先手に勝ちはないと思います。
ここからはまだ少し続きましたが、以下後手の勝ちになりました。

一局を振り返ってみると後手の、やねうら王の完勝だったでしょう。

稲葉七段としては何故か本来の力が出せてない、不出来な将棋だったと思います。

これで対戦成績は人間側から見て、2勝1敗になりました。
残る将棋ソフトは別格に強いソフトだと思いますが、人間側が勝って欲しいですね。


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電王戦第三局の記事は・・・・

PCの調子が悪いので、新しいPCが来る3/31日(火)以降に書きまぁす!!!

アイカツ!のCGステージでも見て、待ってればいいぞ!!!





僕が思う、アマチュアの将棋の勉強法。

僕はある支部に所属していて、そこでリアル将棋を指すことがあるのですが、
たまに初心者のオッチャンなどに「どうやったら、将棋が強くなりまんねん」みたいな事を聞かれる時があります。

その時には僕なりに「こうしたら、ええんちゃいますか~」と答えるのですが、
大体いつも言う事は同じです。

今回はその時に言う主な事を、まとめて書いておこうと思います。


その1・・・ツマラナイと感じることは、一切しなくてよい。

まずコレです。これはいつも一番初めに言いますね。
自分がツマラナイと感じることは、一切しなくていいと思います。

例えば、終盤力を鍛えるためには「詰将棋」を解くことが一番いいと言われますが、
詰将棋が苦手だったり、面白く無いと思う人も多いでしょう。

その場合は無理して、やらなくていいと思いますね。

まあ本当はやった方がいいのでしょうけど、我々はアマチュアですし、
そこまでしてやる必要性はないと感じます。

そのうち必要性を感じるようになれば、自然にやるようにもなるとも思います。


その2・・・苦手なことはしなくてよい。

次に言う事はコレです。
自分が苦手だなぁ・・・と思うことはしなくていいでしょう。

例えば、「受け」が苦手な人がいたとします。
この場合はもう苦手な「受け」の力を強化するより、「攻め」の力を伸ばした方がいいでしょう。

更に言うとこの場合、なるべく自分が受けに回る展開にしないようにするよう、
考えればいいと思います。

例えば、先攻しやすい急戦系の戦法を指すようにする・終盤が攻め合いになりやすい戦法を指す・・・などです。
解りやすくTVゲームなどの、パラメーター振り分けみたいにすると、

攻撃力 ●●●●●
守備力 ●●●●●


↑コレみたいにするよりも、

攻撃力 ●●●●●●●●●●
守備力


↑コレみたいにした方が、いいと思います。 
アマチュアでは、絶対こっちの方がいいと感じます。

短所を補うより、長所を伸ばせ!!!ですね。


その3・・・将棋世界・NHK将棋講座を毎月買って読む。

最後にコレでしょうか。
将棋を指すのであれば、この2つの雑誌は必ず買って読んだ方がいいと思います。

実は支部に入って驚いたことに実際将棋を指す人でも、
将棋雑誌や定跡本などをあまり読まない人がいることがあります。

僕はリアル将棋を指す前までは将棋ファンであれば、最低将棋世界はみんな必ず買っていると
思っていましたから・・・

買わない人の理由に「雑誌は高い」と言う人がいるんですが、
この2冊を毎月買っても、将棋世界は800円・NHK将棋講座は530円の合計1330円です。

趣味で使う毎月の約1300円位は、使ってもいいんじゃないでしょうか・・・
あとこの2つの雑誌は内容も濃いですし、これでその値段はまだ安いと思います。

それと将棋世界は当然として、NHK将棋講座を押す理由として、
TVで放映されない感想戦の、まとめなどが載っていることがあります。

この感想戦のまとめには結構「こんな手が、その後にあったのか!」みたいな事が載っており、
その手を真似して、ネット将棋やリアル将棋で白星を稼がせて貰ったことが過去にありますね。


まあ他にも色々とありますが、あんまり多く言うと消化するのに大変なので、
いつもこの3つくらいにしています。

とにか上にも書きましたが、我々はアマチュアで「趣味」で将棋を指しているのですから、
無理に嫌なことや面白く無いと思うようなことをするより、
楽しく出来るようにすることが、一番重要だと思っていますね。


将棋電王戦FINAL 第2局 永瀬拓矢 六段 vs Selene を観戦した感想。

将棋電王戦FINAL 第2局 永瀬拓矢 六段 vs Selene を観戦した感想を書きたいと思います。

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先手がSeleneで、序盤はよく解らない序盤に。

このSeleneと言う将棋ソフトのことは全然知らないんですが、
序盤はよく変な手を指すらしいです。

まあ細かとことは気にしない、大らかな性格なんでしょう。


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後手だけ飛車先の歩を交換できて、後手に全く不満はないと思います。

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後手は無理に動くこともないので、先手に右玉にされても気楽ですね。
先手がどう打開していくかが注目でした。

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どう打開するか注目でしたが、☗75歩の仕掛けはいいタイミングだったと思います。
こういう展開は将棋ソフトが上手く指しやすいので、少し先手ペースになったと感じました。

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快調に先手が攻めていると思いましたが、後手も右玉の急所である端から反撃し、
形勢は互角だと思います。

将棋ソフトは受けが強いですが、さすがに急所を突かれると完璧には受け切れない感じです。
この辺りは、さすが永瀬六段だと思いました。

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ただ端は後手も怖いところで、先手も負けずに応戦。
しかしこの局面では先手の方が、少し悪い感じがしました。

理由としては、後手からの角二枚の反撃が強烈だったからです。

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その強烈な角を打たれて、この局面では負になっていると思います。
このまま普通に、後手勝ちで終わると思いましたが・・・

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なんとSeleneは「角の不成」に対応できないらしく、以下反則負けになってしまいました。
コレには驚きましたね・・・

この「成らずに反応できなく反則負け」はこの後、色々なところで賛否両論議論されているみたいですが、
僕の考えとしては、永瀬六段に全く否はないと考えています。

「駒の不成」特に飛車・角・歩の不成は、実戦ではまず出ませんが、
99.9%出現しない訳ではありません。

局面によっては、飛車・角・歩の不成が世紀の絶妙手になる局面も、
場合によってはあるはずです。

出現する可能性が0.000000001%でもある限り、
将棋ソフトは不成にも対応出来るよう、作るようにしておくべきだと思います。


あとなぜ永瀬六段が早い時点で不成を試さなかったのかは、永瀬六段しか解りませんが普通に考えると、
「始めは普通に指して、負けそうになったら試してみよう」と考えていたのではないでしょうか。

これは僕の憶測ですが・・・あと早い時点で試しもし勝ってしまうと、色々と予定も狂いますし。
永瀬六段は周りの事も色々考慮して、この局面で試したのだと思います。

更に言うと永瀬六段が不成を試した局面は、ほぼ永瀬六段の勝勢だったと思います。

そのまま指していれば、99.9%永瀬六段の勝ちだったと思いますが、
それを100%にするのと、本当に本番でも不成に対応できないのか見たかった(見せたかった)
のだと思いますね。


まあしばらくは、この永瀬六段の勝ち方は議論されると思いますが、
「これも対ソフト用の戦い方」だと思えば納得できます。

それくらい人間は「将棋ソフト=コンピューターに勝つこと」が大変で、
手段を選んでいられないのです。

永瀬六段も自分がどうこう言われるのは、覚悟の上だったと思います。
(どうなるかはなんて、一晩考えれば想像がつく)
プロ棋士としての葛藤も、勿論あったでしょう。

僕は永瀬六段は人間代表として、立派だったと思っていますね。
(そもそもルール違反は、全くやっていませんし)

これで人間側の、2連勝と言う状態になりました。
来週もこの勢いで人間側が、勝って欲しいと思います。


将棋電王戦FINAL 第1局 斎藤慎太郎五段 vs Apery を観戦した感想。

今年も大注目の電王戦が始まりました。
簡単にですが第1局の「 斎藤慎太郎 五段 vs Apery」を観戦した感想を、書きたいと思います。

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戦型は後手Aperyの、ごくごく普通の四間飛車に。

コレには少し驚きましたが、将棋ソフトの振り飛車は手強いと噂だったので、
「長くて大変な勝負になるだろうな・・・」と思いました。

しかしながら「大変になる」とは思いましたが、「一発で終わる」と言う事はほぼ無くなったので、
ちょっと安心したと言うのも正直なところでしたね。

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てっきり相穴熊の超持久戦になると思っていましたが、後手がカナリ積極的に動きました。
しかしこの序盤はどうだったでしょうか・・・

後手は61の金も離れ駒になっていますし、角交換後の2筋のケアも考えなくてはいけません。
この動き方は全くないとは言えませんが、ちょっと後手にリスクがありすぎる動き方だと感じました。

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そして後手は2筋さえ受けずに、一直線の攻め合いの順を選びました。
コレには驚きました・・・

常識的に考えて上図の局面では、61の金取りになっているのでここまで読んで、
ほとんどの人は「これはダメ」と考えると思います。

けれど強い将棋ソフトの事なので、「この先に何か凄い手があるのだろうか・・・」と
思っていました。

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後手は61の金取りも受けずに、猛烈な攻め合いに。
コレにも相当驚きました。

なんせこの順は第一感、先手が攻め合い勝ちしそうだからです。
さすがにこの局面では「先手が正解手を指し続ければ、勝てるのではないか?」と
思いました。

結果的にこの攻め合いが無理で敗因だと思いますが、後手は何を考えてこの順に飛び込んだのか
よく解りません。

多少失敗していても、後手は我慢しようと思えばもっと我慢出来たはずですし・・・
「不利な時は戦線拡大」と言う格言はありますがこの場合は、ただの自爆になっていると思います。

何かバグな様な物があったのではないか・・・?とさえ感じました。

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以降はもう後手の手も止まらず、一直線の順ばかりだったと思います。
この竜と角の交換も淡白だったでしょう。

ただもうこの辺では、修正する順も難しかったのかもしれませんね。

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先手も最強の順で応じ、上図以下勝勢になり勝ちとなりました。
これで人間側が久しぶりに、リードする形になりましたね。


本局は斎藤五段が少し指しやすい局面から、完璧な指し回しで勝ち切った将棋だと思います。
さすがの将棋ソフトも完璧な指し回しに、力を出せない様子でした。

Aperyからしてみれば、相当不出来な将棋だったでしょう。
全くAperyの良さが、出ていなかったと思います。

何故ここまでAperyが、本来の力を出せなかったのか解りませんが、
ソフトも戦型によっては、暴発してしまう事もあると言う事でしょうか。

電王戦は始まったばかりなので、これからどうなって行くか楽しみですね。


NHK杯将棋トーナメント 行方尚史 八段 VS 橋本崇載 八段 を観戦した感想。

つい先日(2015/3/8)に何かと話題になった、TV対局がありました。
その対局とはハッシーこと、橋本八段が登場するNHK杯です。

橋本八段と言えば、面白いパフォーマンスをする棋士で、
多くの人は「面白くて、そこそこ強い棋士」と思っていると思います。

しかし僕の中では橋本八段の評価は、全棋士の中でもトップクラスの棋士と評価しています。
その理由としては橋本八段を、プロ棋士になった時から見続けているからです。

今でこそ橋本八段はオチャラケていますが新四段の頃は、かなりストイックな棋士だったと記憶しています。
10代のプロ棋士として、色々なところで紹介されていましたね。

そしてその時期は今の渡辺二冠・阿久津八段なども現れだした頃で、当時の僕は(僕も20代前半だった頃)

「ついに羽生世代と戦える棋士が揃ってきたな!世代交代が見れるぞ!!!」

と、ワクワクしていた時期でした。


少し話が脱線しましたが、昔からファンである橋本八段が今期のNHK杯で好調とあって、
本局もとても楽しみにしており、リアルタイムで観戦していました。

それと今回珍しく対局の感想を書こうと思った理由がもう一つあります。
それは「先手の行方八段の指し方が、とても素晴らしかった」と言う理由です。

特に序盤は、そのまま定跡になるでしょう。
どの辺りが素晴らしかったのかは、この記事で僕なりに解説したいと思います。

そのため少し記事が、いつもより大きくなると思います・・・・
では書いていこうと思います。


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行方八段が先手になり、後手の橋本八段が序盤から工夫する展開に。
この先手居飛車に対しての4手目☖94歩は、かなり有力だと思っています。

この手の意味としては「先手に☗25歩を突いて欲しい」と言う意味です。

☗25歩を突かせると角交換~ダイレクト向かい飛車にした時に、
☖24歩~の逆襲が常に狙えます。

先手は☗25歩以外にも選択肢はありますが、その場合は後手に居飛車にされた時などに、
損になる可能性が高いです。

なので先手は☖94歩には、一番損にはならない☗25歩が必然的となります。

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☖22銀に対し先手は☗38銀と、細心の注意を払って指しました。
☗38銀には「おやっ?☗48銀じゃないのか」と思われる方もいるかもしれません。

この☗38銀には2つの意味があります。
1つは後手が居飛車に変化した時に、棒銀の含みを見せていると言う意味。

もう一つはあまり知られていませんが、「ダイレクト向かい飛車」を警戒していると言う意味です。

この☗38銀を指す局面ではまだ後手は、居飛車か振り飛車か判明していません。
そして橋本八段は、オールラウンダーでもあります。

ダイレクト向かい飛車を警戒している意味としては☗38銀の場合、
☗65角を打つ変化の時に、違いがハッキリ出る変化があります。

詳しく説明すると、☗38銀☖22飛☗65角☖74角☗43角成☖52金右☗同馬☖同金☗75金。(下図)

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もう定跡となったこの変化ですが現在では後手はここで、☖42飛が一番有力。
そのとき先手は☗74金☖同歩☗46歩!(下図)が有力と言う事が解って来ました。

後手はこの☗46歩は取れません。取ると☗55角がありますから。
取れないのであれば先手は☗47銀と、形良く駒組みをすることが出来ます。

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この時にもし☗48銀であれば、☖75歩という手があり☗同歩であれば、
☖54角が打てます。(下図)

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この☖54角は☖87角成と☖27金の両狙いで、先手は両方を防ぐことが出来ません。
☗38銀であれば27の地点に利いているので、この変化の心配はないと言う事です。

これが☗38銀の意味となります。

「お前はなんで、そんなに定跡に詳しいんじゃ!」と思う人もいるかもしれませんが、
実はこの変化、少し前に出た村田顕弘プロの本に載っています・・・

この本は超オススメ本なので、絶対買っておきましょう。



以上の変化はダイレクト向かい飛車を相手にする場合、知っていると知っていないとでは、
かなり違ってくると思うので、絶対記憶しておきましょう。


そういう事で後手はダイレクト向かい飛車にしても面白く無いので、
角交換四間飛車にしました。

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ここからの行方八段の序盤は完璧だったと思います。
まず☗96歩。

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ここで☗78玉などでは、☖95歩と指されてしまう可能性があるので、
それを阻止。

そして☖62玉には☗46歩。

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この☗46歩もここでしか成立しません。

もし☗78玉などでは☖72玉との交換になり、そこで☗46歩では☖44歩と指されて、
先手が作戦負けになりやすい。(☖45歩~飛車先交換をされてしまう)

このタイミングであれば☖44歩なら☗65角が打てるので、☖44歩は指せませんね。

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そして☖44歩には☗56銀がピッタリ間に合う。
後手の狙いを全て封じ、完璧な駒組みだと思いました。

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橋本八段もここくらいまでは当然予定通りで、☖35歩と序盤からポイントを稼ぎに来ます。
この☖35歩は橋本八段は得意にされており、かなり手強いと感じます。

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ここで☗86歩は感心しました。
すぐ見える手としては☗24歩だと思います。

しかしここで☗24歩は恐らく、居飛車がそんなに面白くない可能性が高い。
理由としてもし☗24歩であれば、☖同歩☗同飛☖23金☗28飛☖25歩(下図)が厳しそうです。

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ここからは一例として、☗77銀☖33金☗16歩☖22飛。(下図)

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これは完全に居飛車が、カウンターを喰らった感じですね。
記憶が正しければ橋本八段は、この手順で過去に快勝した将棋があったと思います。

行方八段の☗86歩~間合いを計り、銀冠に組む構想は巧妙な構想でした。

それで☗86歩に☖33桂を見て☗24歩。(下図)
これも細かい。

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☖33桂を跳ばせたことによって、先ほどの変化の☖33金がなくなっています。
数手進んで下図。

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その後は本局も、☖23金の変化のように居飛車が逆襲されたようになるのですが、
☖23金の変化とは違い先手も玉頭に手を掛けれており、これであれば先手も戦えます。

行方八段の指し回しには、感心させられてばかりでした。
数手進んで下図。

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後手の狙い筋を全て見破り、先手は無事に銀冠に組めました。
2筋は辛い形ですが、それ以上に玉形が大差です。

まだまだ互角だとは思いますが、先手が勝ち易い局面だと思います。

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橋本八段としては仕掛けられなかったので、少し面白くない展開だと思いますが、
自分からは崩れない粘り強い指し方で、ジッと我慢する指し回しは参考になります。

これぞ重量級と言う感じです。

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橋本八段の粘り強い指し方に、行方八段も手を焼いている感じでした。
☗98香は苦心の一手に見えましたね。

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僕が一番印象強く残った手は、この☗67銀です。

ハッキリ言って深い意味は解らないのですが、
「こう言う手損をする手は、自分には全くない発想だな・・・」と感じました。

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観戦していて先手が良くなったかな?と感じた手は☗56金と、
遊んでいる金が味よく活用できた局面です。

先手の金銀の連結が素晴らしく、見た目的には相当負けにくいと感じる局面でしょう。
形が良くなる手に悪手は無いですから。

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数手進んで上図に。
この☗55金とガツンとぶつけて、完全に先手ペースになったと感じました。

後手は飛車が遊んでいるのが辛そうです。

ただ後手は受けが強い橋本八段なので、「まだまだ先は長そうだな・・・」と思い見ていました。
しかし・・・

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難解な終盤戦が続いていましたが、橋本八段がまさかの二歩で反則負けに。
一瞬の出来事でしたね。

この橋本八段の二歩については色々なところで話題になっていますが、
これは仕方がないと思います。

実は僕もTVで見ていて、この局面の第一感は☖63歩でした。
僕も二歩に全く気づかず、「☖63歩にはどうするんだ?まだまだ大変だぞ・・・」
と考えていました。

たぶん他に見ている人も☖63歩は第一感の手として、
候補手に考えていた人も多いのではないでしょうか。

橋本八段も完全に、ウッカリしたんだと思います。

勝った行方八段は順位戦でも好調で、充実を感じさせる一局でした。
この将棋は参考になる手が多く、とても勉強になったと感じました。

この対局の詳細な解説は、NHK将棋講座に載るので、
それも今から楽しみですね。

ちょっと長くなりましたが以上が、この一局を見た僕の感想です。
来週からは「将棋電王戦FINAL」が始まるので、それも去年の様に観戦した感想を書いて行く予定です。



ちょっと古めだけど、棋譜並べにオススメな本。

僕は棋譜並べが好きで、将棋の勉強法はほとんどプロの将棋の棋譜並べです。
棋譜並べと言っても、何も解説のない棋譜は難しすぎて中々解りづらい。

そこで利用するのが「解説などがある棋譜集の本」。
特に実際対局した棋士が書いた「自戦記」の本を利用しますね。

やはり実際対局した棋士が書くのですから、変化なども詳しく書いてありますし、
実戦心理などもとても勉強になります。

そこで僕の「ちょっと古いがこれはオススメ!」と言う棋譜集を書きたいと思います。


先ちゃんの順位戦泣き笑い熱局集



まずオススメしたいのは、先崎九段の自戦記本。
解説・収録局数も多く、かなりオススメです。

先崎九段は文章も上手いので、面白おかしく読めますね。

あと「こんな時はこう指せ!」みたいなことも結構書いてあって、
とても参考になると思います。

注釈 康光戦記 (最強将棋21)



次は佐藤康光九段の自戦記本。
この本は出た当時は、話題になったと思います。

佐藤九段の考え方や解説が丁寧に載っていて、
とても参考になります。

何回読んでも面白い本だと思いますね。


森下の対振り飛車熱戦譜



森下九段の対振り飛車の自戦記本。
森下九段の本はどの本も、丁寧かつ解りやすくてとても好きです。

内容的には今の流行とは違い「普通の振り飛車」が相手の棋譜ばかりです。
しかしアマチュアでは普通の振り飛車はまだまだ多いので、
違和感なく読めると思います。

ミレニアム囲いも戦いも2局ほどあり、今となっては懐かしいと感じます・・・
あったなぁ~こんな囲い・・・


稲葉陽の熱闘順位戦・阪口悟の順位戦昇級のキセキ・菅井ノート 実戦編
最強最速の将棋・豊島の将棋 実戦と研究・佐藤天彦に学ぶ勝利へのプロセス




最後にそんなに古くないんですが、オススメの自戦記本シリーズを書いておきます。
これは順位戦昇級者の順位戦の自戦記本のシリーズ。

どの本も解説と戦型の基本的なことや、研究課題的なことが書いてあって、
解りやすいと思います。

戦型もここ数年の流行戦型が多く、少しでも新しい戦型の棋譜を並べたいのであれば、
このシリーズはオススメです。

順位戦の棋譜なだけあって、どれも内容は濃いと思いますね。

以上が僕がオススメしたい棋譜並べの本です。
アマゾンの古本であれば安価で買える事もあると思うので、日頃チェックしておけばいいかもしれません。

先手石田流三間飛車対策を考える。

この前に先手中飛車や後手ゴキゲン中飛車の、オススメ対策を書きましたが、
そのついでと言ってはなんですが、「先手石田流三間飛車」の僕のオススメする対策を
書いておきたいと思います。

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石田流の序盤

と言うのも、この「先手石田流三間飛車」も結構困っている人が多い感じです。

「石田流 対策」や「対石田流 有効な作戦」みたいな検索ワードで検索し、
たまたま僕のブログに来る人も、毎日数人はいますね。

先手石田流三間飛車対策は、何回か対策も過去に書いた記憶がありますが、
それも数年前なので、僕の中での考え方も完全に変わっています。

それではまず、一番オススメの対策から。


まず現時点で、ダントツで一番のオススメ対策は「左美濃」です。

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左美濃

図は一例ですが序盤で、☖42玉などを指して☗66歩を必ず突かせてください。
対先手石田流の数多くある作戦の中で、一番安定度があり実績もナンバーワンだと思います。

現時点ではプロ間でも、この左美濃~銀冠が優秀で先手石田流は減少傾向にありますね。
僕も対先手石田流には、7~8割は左美濃を選ぶ感じです。

ハッキリ言って基本的に先手石田流は、この作戦だけでもいいかもしれません。
それくらい優秀な作戦です。

ただ石田流側も無理気味ながら、暴れる筋は結構あるのでその辺りは
しっかり本を読んで、最低限の知識は付けてから指さないとダメです。
指し方も少しコツがいる感じです。

このコツを掴むには、プロの棋譜並べをやりまくればいいでしょう。

とにかくある程度左美濃を指せるようになれば、先手石田流に負けまくるということは無くなるはずですね。
超オススメな作戦です。

ちょうど少し前に左美濃の本も出たので、この↓の本を読みまくって下さい。
この本は絶対持っておいて損はないです。



絶版などにならないうちに、必ず買っておきましょう。


次にオススメな対策は正直言って、左美濃以上の作戦は思いつかないのですが、
あえて言うと「相振り飛車」でしょうか。

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相振り飛車

図は一例として後手向かい飛車ですが、別に何でもいいと思います。

ただこの相振り飛車はここ数年、著しく定跡化が進んでいるので、
それなりの知識は必要ですね。


昔(10年位前)は、適当に指しても戦えてたんですが・・・

相振り飛車も長年指されていますが、まだまだ解らないことだらけですね。
これからも指され続けるでしょう。


あと有力そうなのは・・・そうですね・・・・
実はアマチュアで3段以下くらいであれば、普通に穴熊に組むのもまだまだ通用するかもしれません。

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そこまで定跡や序盤に詳しくないレベルであれば、実戦的には大変だと思います。
昔はそこそこ強くても、これでも十分戦えたりしてましたからね。

たださすがに今は咎められるかな・・・

まあとにかく先手石田流対策は「左美濃と相振り」を、僕はオススメしたいです。


ここからはちょっとオマケなんですが、僕がもし石田流対策に困った時の為に、
密かに温めていた指し方があります。

もう数年温めていて、これから使うこともないと思うので書きます。

その指し方とは2012年12月2日に指された、甲斐女流VS里見女流の対局で、
里見女流が指した指し方です。

その対局は下図のようになり戦いが始まったのですが、里見女流の序盤~中盤は完璧だったと思いますね。

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この形は非常にクラシカルな形で、昔から似たような形はあると思います。
まずこの指し方のセールスポイントを書きましょう。

1、最近見ない形なので、普段研究している人はいない。

まずコレです。
プロならともかく、アマじゃまずいないでしょう。

その為、研究が生きやすいです。
それと初見では対応が難しい。

その証拠に女流の中でカナリ強い甲斐女流でも、この対局では上手く対応出来ていませんでした。
アマ同士であれば、大差で勝つことも可能だと思います。

2、研究家である里見女流が指した。

その次の理由としてコレですね。
里見女流が指した形なので、相当有力な形なんでしょう。

指す前に里見女流は、研究しまくりだったと思うので。

この指し方を見たのはもう数年前になりますが、僕は今でも有力だと考えています。
興味のある人は研究してみると面白いと思いますね。