dr研究会課題局面(相横歩取り)

今回の研究局面は相横歩取り。

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相横歩取りは最近は、プロの将棋ではあまり見ませんが、
アマチュア間では根強い人気があるみたいですね。

この相横歩取りにたいして、僕の個人的な考えを結論から書くと、

「後手が相当工夫しないと、良くならない」が僕の考えです。

この考えは数年前から変わっていません。

まず上図からは先手は▲77銀か▲77桂が有力だと思います。
▲77銀からの僕の考えを書きます。

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▲77銀は壁銀を活用する一番自然な手で、悪手になると言う事は100%ありません。
▲77銀に対し後手は△74飛と引く一手です。

そこで先手が▲同飛と取れば、一気に詰むか詰まないかの終盤に突入します。

この激しい順は後手は誘導されると避けようがなく、まずこの順を研究して研究手を用意しておかなければ、
この相横歩取りと言う戦法は指せません。

そうなると先手は後手が研究して来た手に対し、正確に対応しないと即負ける可能性が高いです。
これでは先手が一方的にリスクを負うことになり、先手としても面白くないと思います。

そこで僕のオススメは▲36飛です。

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この▲36飛と指すと穏やかな流れになりやすく、じっくりした将棋になりやすいです。
先手後手ともに、実力が問われる将棋になるでしょう。

しかし先手は手得しているので、何も不満はないと思います。


次は▲77桂についてです。

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▲77桂もじっくりとした将棋を目指した一手です。
説明は省きますが、この▲77桂に対して後手は△33金以外では不利になる可能性が高いです。

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△33金からは普通に指すと、▲84飛からじっくりした将棋になります。

ここからは余談なんですけど、△33金に対して成立するかどうかは微妙なんですが、
▲同飛成!と言う手もあります。

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あまり見ない手なんですけど、図からは△同桂▲82歩△同銀▲85角と進みます。

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これに対し一番普通の手は△26飛だと思うのですが、それには▲27歩と言う返し技あります。

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これを取ると▲63角成が詰めろ飛車取りになると言う仕組み。
ちょっとハメ手っぽいんですが、以下△86飛▲63角成で難しい将棋でしょうか。

▲85角に対し△75飛は、▲63角成△52金▲81馬で先手が2枚換え(銀取りにもなっている)なんですが、
これも難解だと思います。

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このあまり見ない▲同飛成の変化なんですが、僕が何故詳しいのか言うと、
平成四年二月四・五日に指された、第41期王将戦七番勝負第三局 ▲南王将 対 △谷川三冠の将棋で、
控え室で見ていた青野プロがこの変化を挙げており、それを谷川全集で読んだ記憶があったからです。

その将棋では▲33同飛成とはならなかったのですが、
谷川三冠(当時)は、これも有力かもしれないと書いていました。
(何故かこの約20年前の将棋は印象が強く、たまたま記憶していました。)


ちょっと長い余談だったんですけど、戻ります。

▲77桂は書いたように、じっくりとした将棋になりやすく、
お互いに構想力が問われる、「これからの将棋」と言う事になると思います。

しかしよく見ると、▲77桂の局面は先手が2手多く指している勘定になります。
手得していて、「先手が理論上悪くなり易い」と言う事はないでしょう。

そう言うことで、相横歩取りに対しての僕の考えをまとめると、

「▲77銀・▲77桂のどちらでも先手には不満が無く、先手の方が面白い」と言う結論です。

しかも後手は▲77銀の超急戦・持久戦・▲77桂など、全ての手を研究しなければならず、
「それでも良くなる順があるかないか」なので、相当しんどい戦法だと思いますね。

これなら△85飛車戦法を指した方が、良いかも知れません。

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この本はかなりオススメです。



以下はまた余談の、オマケの記事です。

相横歩取りでもう一つ、僕が強烈に印象に残っている手があります。
それが下図の手。

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この△12角と言う手は、
2005年棋聖戦決勝トーナメント準決勝 ▲森内名人(当時)VS △三浦八段戦で現れた手です。

この△12角は▲77桂型~▲66角と打つ中での変化なのですが、
公式戦では、この対局で三浦八段が指した新手だと思います。
(本来は△44角などが定跡。この△12角は桂馬に紐をつけて、攻防手になっている。)

しかしこの手は三浦八段が指す前に、某アマチュア強豪が「近将カップ」と言うネットの対局で、
対局の少し前に指していました。

森内名人と三浦八段はそれを知っており感想戦で、「近将カップで見た」と言ったそうです。
(平成18年版将棋年鑑 P530参照)

僕は「トッププロは、アマチュアの将棋まで調べているのか・・・」とビックリした記憶があります。
それと同時に「相横歩と言うのは、そこまで調べておかないと指せないのだな・・・」とも
思いましたね。

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