将棋ソフトに入っていた謎の戦法。

僕のPCには現在、数年前に出た「激指定跡道場2」と言う将棋ソフトが入っているのですが、
この前ちょっと色々研究をしていた時に、面白い戦法が定跡として入っているのを発見しました。

なかなか有力で、面白そうだったので書きたいと思います。

まず研究をしていたと言うのは、相居飛車の時の「後手4手目32金戦法」について
色々と考えていました。

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この手はプロ間でも時々指されていて、色々な含みを持たせながら指す手です。

例えば▲25歩なら△88角成~一手損角換わり。
▲78金なら▲44歩からウソ矢倉などです。

僕はこの後手4手目32金は最近有力だと思い始めていて、色々と考えてました。

▲25歩を決めさせて一手損角換わりにすれば、△84歩を突いた一手損角換わりより若干得ですし、
▲78金からウソ矢倉にすれば、飛車先の歩を切るには角を77か66に上がってから引かなければならず、
こちらも通常のウソ矢倉よりも若干得だと思います。

まあこれらは誰でも知っている事とは思いますが、通常の矢倉や角換わりの定跡を初めからなぞるよりも、
少しでも工夫できる余地がある形で駒組みをしたいと言う思想です。


しかしその中でも僕は一つ嫌な変化があり、それは▲25歩と指されて一手損角換わりを指す展開です。
僕は一手損角換わりは後手が勝ちにくいと感じていて、どうにか他の方法は無いかと考えていました。

そこで一つ思いついたのが、△33角と上がる手です。

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これもたまにプロ間でも指されるのですが、これには▲同角成する一手。
そこで後手が金で取れば、阪田流向かい飛車などがよくある展開です。

しかしさすがに阪田流向かい飛車はちょっと指しこなせそうにないので、
△同桂の展開で何かないかと考えていました。

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ここから何も考えず先手がシンプルに指すと、▲24歩△同歩▲同飛△22銀くらい。

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図からは▲28飛と引いて、△24歩~銀冠を目指して一局くらいかなと思っていました。

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先手には飛車先を切られてしまいますが、後手も銀冠に組めるので主張はあると思います。
力戦形の将棋になるので、中終盤勝負のねじり合いの将棋になるでしょう。

それで△24歩以外では何か無いかなと思い、ソフトを起動させ調べていた時に、
あまり見ない手を発見しました。

それが▲28飛の時に△35歩という手。

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僕はこの局面でこの手は初めて見ました。
見た時には意味不明でしたね。

如何にも悪手に見え「なんかの間違いなんじゃないか・・・?」と思いましたが、
ウインドウには間違いなく出ています。

僕もたいがい定跡は知っていますが、これは全く知らなかったので進めてみました。

図から▲68玉と普通に指したら次の手にも驚きました。

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後手は△25歩と指しました。
これも見た瞬間は、手の狙いが見えませんでした。

「はぁ?」と思いましたが、まあコレには先手は▲78玉くらいでしょう。

▲78玉以降は△23銀▲38銀△34銀と進み下図。

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正直、この展開も何がしたいのか気づかなかったです。
ただ部分的には、後手3手目△33角戦法の一部の展開に似ていると思いました。

後手は窪田七段っぽいですね。

図からは▲68銀△44歩▲77銀△43金と進みます。

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この辺りでやっと後手は何がしたいか解りました。
向かい飛車にしようとしてたんですね。

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なんという遠大な構想・・・こんな構想は全く思いつかなかったので感心しました。
ただ後手の形は「形」としてはある形なので、昔のB級定跡だったのかもしれません。

上図は後手作戦勝ちか、満足な展開でしょう。
図からは一直線に美濃囲いに囲い、あとは野となれ山となれでしょうか。


しかしこの戦法の構想は、結構有力だと僕は感じます。
最強に咎める順はないかと考えたのですが、一気に潰す手は思いつきませんでした。

振り飛車側はバランスの良い形で桂馬も使えていますし、
角交換の将棋なので穴熊にもしづらい。

ふざけた戦法っぽいですが、見た目以上に本格的な戦法だと僕は思います。

たまたま発見したB急戦法ですが、興味のある人は研究してみて下さい。
結構面白いかもしれません。



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コメント

実戦例有ります。

93年5/11の第62期棋聖戦本戦準決勝
▲羽生-高橋戦がこの立ち上がりです。
先手が早く▲4六歩~▲4七銀~▲3六歩と動いて
快勝(日の明るいウチに終了)だったと対局日誌にありました。

2013/09/12 (Thu) 14:14 | トマト #bCsAMgz6 | URL | 編集

実戦例がありましたか~、よく発見しましたね・・・
しかも羽生-高橋戦とは。

さすが羽生さん、こういう初見の局面でも完璧に対応していますね。
たぶんこの将棋ソフトも、この実戦例を参考にしていると思います。

プロ的には、少し無理がある感じと言うことでしょう。
アマ同士であれば、まだなんとかなる可能性もあると思います。

2013/09/12 (Thu) 16:13 | 将棋猫 #- | URL | 編集

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2012.11.02 (Fri) 13:28 | まっとめBLOG速報